2015年06月12日

父親の愛っていうヤツにやられた!

別役実フェスティバル参加作品、
Pカンパニーの「ジョバンニの父への旅」を見てきました。

先日の青年座がよかったからね。
別役世界の宮沢賢治を、ちょいと追いかけてみました。
この作品もとてもおもしろかったです。


p15.jpg


楽しみ方は2つ。

1つは、役者たちがみんなとても上手なので、
会話そのものがおもしろい(笑)
上質のコントみたい。
私の席の前列に小学生の男の子が座っていたけど、
げらげら笑っていたよ(驚)

2つ目は、観客の持っている内面に何かしらがひっかかって、
「あれ?こういうことかな?」って
自分なりの解釈=深読みを許す。
見る人によって、たくさんの見方が生まれる。



・・・で、私は何にひっかかったかというと(笑)

ここからは、ネタバレがあるよ。
不条理劇だからって、ナビゲーションはいらないわよ〜ネタバレはなしよ〜って思う方は、
公演後に読んでくだされ(笑)



さて。

ザネリは本当はジョバンニに突き落とされたんじゃないか?
それをジョバンニの父は見ていたんじゃないか?
父は息子の罪をかぶったんじゃないか?
ジョバンニはかたくなに、そんなことはない、と言い張るけれど。
いじめられっ子は、逃げるんです、だからいじめられるんです、
だから、僕はやっていないんです、と叫ぶけれど。

父は、息子に、いじめっ子のザネリが憎い、と言ってほしかった。
ジョバンニにザネリが憎いと思う気持ちを認めさせたかった。
反撃する息子でいてほしかった。
・・・なぜ?

憎いという、真っ黒な気持ちをなかったことにして、
ふわふわと幻想のキレイな世界に逃げ込むな、
って、言ってるんじゃないかな?
と思ったよ。

自分の汚い部分も認めて、抱えることが生きていくことだから。

それを認めないと、他人の汚い部分も認められない。
他人を受け入れられない。
他人を許せない。
愛せない。

それが生きるということなら、
お前は、生きろ。
生きるんだ。
生きていくんだ。


「あれが、お前のお母さんと姉さんの家だ」というセリフが、

汚いところも、ずるいところも、憎しみも怒りも抱えている人たちの家だ。
やさしさも、あたたかさも、悲しみも愛も抱えている人たちの家だ。

そんなふうに聞こえたよ。


父親の愛は、とても熱い。
熱くて厳しくて深くて尊い。
母の愛は息子の存在に対する受容だけれど、
父の愛は息子の人生に対する責任なんだなぁ。

なんだか、とても泣けてきたよ。
久しぶりにお父さんに電話しようかなぁって気持ちになった(笑)



美術(セット)、とてもよかったです。
レトロでなつかしくて、賢治っぽい(笑)
照明もきれい。
でも、特筆すべきは音楽
星祭の音楽が、もう、ステキすぎ(笑)
東北の村祭りのようでもあり、西洋音楽風でもあり。
ああ、銀河鉄道の世界!って思えた(笑)

初日だったからか、役者のセリフ噛みだけがちょっと気になったくらい(爆)



池袋・シアターグリーンのBox in Boxで。
6/14まで。
音楽は日高哲英さん。


posted by ゆきお at 02:33| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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